パッシブスピーカーを鳴らすためのパワーアンプを探していたところ、手のひらサイズでお手頃な小型アンプを見つけました。
Bluetoothで様々な機器と簡単に接続できることがセールスポイントのアンプですが、それだけではなくMicro USB入力や3.5mm AUX入力も可能でいろんな用途で使用できそう。
Amazonではベストセラー1位を独占し続けている大人気商品です。
早速買わねば!
と思いましたが、よく探してみると似たような商品がいくつかある模様。
というか、「似たような」というのは控えめな言い方で、実のところ形状、仕様、付属物、説明書の文言にいたるまで全部同じですw
さすが中国製!どうなってんの?
目次
Bluetoothパワーアンプ「F900」あれこれ
Amazonでざっと検索してみたところ、同型のアンプは以下のものが見つかりました。
海外のECサイトで「F900」で検索すると更に見つかり、それぞれに異なるメーカーロゴが記載されています。
「F900」というのは、Bluetoothペアリング時に表示されるデバイス名です。いくつかのメーカーではこの名前が変更されていますが、ほとんどの製品が「F900」と表示されますので、このタイプのパワーアンプを便宜上「F900」と呼ぶことにします。
これらの内、ELEGIANT製のものがAmazonでベストセラー1位となっているのですが、それぞれに差が全くないためその理由はさっぱり分かりませんw
おそらくは以下の理由で選ばれているのだと思います。
- ベストセラーだから安心感がある
- 価格が一番高いから安心感がある
- (高い価格設定から)割り引かれているためお得感があるw
ベストセラーだからといってELEGIANT製がオリジナルというわけではありません。個人的にはどれを買っても同じでは?という印象を持ちました。
それぞれが自社ブランドで販売しているようですので、ODMの受託業者が同じというケースでしょうか?複数の委託業者が同じ受託業者へ同じような製品作成の依頼をしたケースと考えると、細部のパーツまで全く同じという不思議な製品仕様にも納得できるのですがどうでしょうか。
メモ
ODM(Original Design Manufacturing)とは、製品の設計、開発、製造までを「受託者」が行い、「委託者」が製品を販売するという生産形態です。
F900の基本情報
製品の仕様はどのメーカーも一律同じようです。
基本スペック
カラーは、ゴールド、シルバー、レッド、ブルー、ブラックの全5種類が存在しますが、ブランドによっては展開されていないカラーもあるようです。
サイズ | 78x70x38mm |
材質 | アルミ合金 |
Bluetooth | Ver4.0 + EDR |
通信距離 | 約10m |
電源入力 | DC 9V-24V |
最大出力 | 50W x2 |
入力系統 | AUX、micro-B USB |
出力系統 | スピーカー端子(2.0ch) |
梱包物
- パワーアンプ本体
- ACアダプタ(12V/5A)
- 2 RCA-ミニプラグ変換ケーブル
- 3.5mm AUXケーブル
- 取り扱い説明書(英語/中国語)
F900の特徴
F900の外観
本体は手のひらサイズで、非常に小さくかわいいものとなっています。それに綺麗で高級感もあります。
アンプというと無骨でごついイメージを連想してしまいますが、そんな固定概念を壊してくれます。
このサイズならどこに置いても邪魔にならないので重宝しそうですね。
F900で使われているアンプチップ
Nobsound製のアンプの紹介ページではアンプチップの名前が掲載されています。
おそらく全ての製品で同じものが使われていると思われます。
Texas Instruments社 TPA3116 x2
調べてみるとこんな感じ。
結構なんにでも使えるチップみたいですね。というか、CRT TV(ブラウン管テレビ)というのが気になりますw
クラス | Class-D |
タイプ | ステレオ(2.0ch) |
出力 | 50W/4Ω |
S/N比 | 102dB |
全高調波歪率 | 0.1% |
供給電圧 | 4.5-26V |
主な用途 | ・ミニコンポ ・サウンドバー ・オーディオドック ・カーオーディオ ・CRT TV ・その他 |
F900の入力モード
- Bluetoothモード
- AUXモード
- PCモード
F900は3種類の入力モードがあり、実に様々な外部機器から音源を入力することができます。
入力モード | 入力端子 | 主な対応機器 |
---|---|---|
Bluetoothモード | - | スマホ、DAP、TV |
AUXモード | 3.5㎜ AUXジャック | ミュージックプレイヤー USB-DAC プリアンプ |
PCモード | micro USB | PC |
入力モードの優先順位
USBとAUXを同時に接続するとUSBが優先されます。
USBおよびAUXはBluetoothに優先しますので入力の優先順位は以下のようになります。
USB ⇒ AUX ⇒ Bluetooth
F900の出力
出力はスピーカー端子(2.0ch)のみですので、パワーアンプを持たないパッシブスピーカーへ出力する用途のみとなります。
ヘッドフォンやイヤホンで聴くことはできません。
スピーカー端子はバナナプラグを差してもよいし、スピーカーケーブルを先割れのままダイレクトに結線することもできる仕様です。
F900の電源
電源はDC 9V-24Vとなり付属のACアダプタが利用できます。
が、ACアダプタにPSEマークはない模様ですw
ちゃんとしたアダプターを使用したいという人は、説明書に記載されているとおり9V-24Vで50W以上となるものを選ぶとよいでしょう。F900の梱包品の12V/5Aの場合は 12*5で 60Wとなります。
説明書より
Power input, DC9V-24V range is available(Voltage/V x Current/A = Watt/W, for example: 12V x 5A = 60w, this device lowest power must be ≧ 50w power supply, if it meet outage problem the reason is the power too small, please change larger power or decrease volume to use)
入力電源はDC9V-24Vの範囲が利用可能。(電圧/V × 電流/A = ワット/W、例えば:12V × 5A = 60W、このデバイスの最低電力は50W以上でなければなりません。停電問題が発生した場合は電力が小さすぎますので、より大きな電力に変更するか、使用する音量を下げてください)
F900のここが良い
ポイント
- パッシブスピーカーをお手軽に鳴らせる
- 小型ながらも50W x 50Wの大出力
パッシブスピーカーをお手軽に鳴らせる
なんといっても、スピーカーにアンプを接続するだけですぐに使用できるというお手軽さは素晴らしいです。
PCやスマホの音源をパッシブスピーカーで鳴らす場合、一体型orセパレートなどの違いはありますが、一般的にDAC、プリアンプ、パワーアンプを経由といった構成になると思います。しかし、F900のBluetoothモードならスピーカーに接続するだけ。非常にお手軽です。
スマホの音源をお手軽に高品質なスピーカーで出力できるというのはこの商品の最大のセールスポイントでしょう。
小型ながらも50W x 50Wの大出力
ここまでコンパクトにできるのか!と驚くほど小さくかわいいパワーアンプですが、出力は50W x 50Wとパワフルです。
正直、Bluetoothモードではどうしても音質はイマイチになってしまうのですが、PCモードやAUXモードの有線接続では音質はクリアになり低音から高音までしっかり増幅してくれます。
しかしながら、「値段の割に」というエクスキューズが付いてしまうのは廉価オーディオ機器のお約束です。
F900のここがイマイチ
ポイント
- Bluetooth入力での音質はイマイチ
- 電源を入れると音声アナウンスが流れる
Bluetooth入力での音質はイマイチ
非常に便利なBluetooth接続ですが、どうしても音質は有線入力時より劣化してしまいます。Bluetoothが有線環境とは比較にならないというのは別にこの製品に限った話ではありませんけどね。
やはりオーディオ機器でBluetoothを使用する場合はアンテナ付きのものがよいのかもしれません。
電源を入れると音声アナウンスが流れる
この製品は電源を入れると音声アナウンスが流れるのですが、この機能はOFFにすることができません。
プリアンプとパワーアンプを分けて使用する場合、パワーアンプのボリュームを全開にしてプリアンプでボリューム調整するという人も多いかと思いますが、この製品に関しては止めた方がよいでしょう。
この音声アナウンスはちょっと鬱陶しい仕様です。
F900はこんな人にオススメ
ポイント
- スマホの音源を高品質なスピーカーで鳴らしたい
- 余ったスピーカーの有効利用
- Amazon Echoの出力用
Bluetooth接続で様々な機器の音源を再生できるというのはやはり便利です。スマホの音源をスピーカー出力する方法としてはBluetoothスピーカーが主流かと思いますが、同程度のお手軽さで高品質なスピーカーから音を出すことができます。
また、使わなくなったスピーカーを有効利用する用途で購入する人も多く見られます。スピーカーにアンプを接続してBluetooth接続するだけで利用できますので、余ったスピーカーを所持している人には特にオススメのアンプです。
評判を見ていると、Amazon Echoなどのモノラルスピーカーの出力をステレオ出力する用途で購入する人も多いみたいですね。
最後に
メインに使用するアンプとしてはやや物足りない性能といった感想を持ちましたが、価格を考えると十分すぎる性能とも言えます。
それにこのアンプのメインの使い方は、スマホやPCの音源をより良い音質で楽しむというものだと思います。なんといっても、パッシブスピーカーをお手軽に利用できるというのは感動ものです。個人的にかなりお気に入りのアイテムになりました。
現在パッシブスピーカーを所持していない人にとっても、1万円以下で購入できるスピーカーもありますので一度試してみてはどうでしょうか。卓上アクティブスピーカーやBluetoothスピーカーでは味わえないような音楽体験が得られますよ!
パッシブスピーカーのベストセラー1位
クセのないクリアなサウンドが特徴です。
WHD:112x176x116mmと小型ながらも本格的な音質でオーディオ入門機として最適です。
スピーカーケーブルのベストセラー1位
非常にコストパフォーマンスの高い人気ケーブルです。30mも使い切る自信はありませんが、15mで購入しようとすると逆に高くなってしまいます(笑)